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牝獣の哭く夜
第8章 あばかれる秘密

 その時だった。
 片桐の指が乳首を襲ったのだ。

 背筋を甘美な電流が貫いた。

 ビクンを裸身が反り返るのを押さえられなかった。

 口惜しいけれど、股間に熱いものがにじむのがわかった。

 一度、甘い刺激を感じた桜実は、さらなる刺激を求めて、恥ずかしいほど膨らんでしまう。

 いや、敏感な乳先だけではない。

 太腿を、腹部を、臍窩を、ぬめり気をおびた手に撫でられただけで、今まで感じたことのない甘く切ない情感がこみあげてくるのだ。

 かつて愛する男の愛撫で感じた、おだやかな陶酔とは違う。
 背筋を這い上がってくる、このぞわぞわした妖しい感覚――

(気持ちよくなんか、な、ないわ……いやらしくて、けがらわしいだけ)

 それなのに、どうしてこんなに股間が疼いてしまうのか。
 もどかしげにお尻をくねらせてしまうのか。
 アソコがぬるぬると湿ってしまうのか。

(美貴。あなた、そんなに情けない女だったの?)

 自分の胸ぐらをつかんで、ビンタをかましてやりたいほどだ。

 そう思っても、美貴の肉体は何を勘違いしたのか、男たちの手の動きをすべて甘美なものに変換して、脳に伝えてくる。

 片桐と二人がかりで乳房を責められ、もうどういう言い訳もできないような、あきらかな官能の喘ぎを漏らしてしまった。

 すでに股間の肉溝が、気味悪いくらいぐっしょり濡れているのがわかる。

 弄ばれて反応してしまった秘処を、これから男たちに確認される。

 おそらく男たちは美貴の反応を野卑に囃し立てるだろう。
 プライドを傷つけようと嘲るだろう。

 耐え難い恥辱だった。
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