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牝獣の哭く夜
第8章 あばかれる秘密
 ショーツが少しだけ、下げられた。

「お、黒い毛の生えぎわが見えてきたぞ」

 卑猥な声が耳に痛い。

(は、恥ずかしい……)

 あそこの毛を見られている。
 想像以上の恥ずかしさだ。

 血が出るほど唇を噛みしめた瞬間、あろうことか、その毛を引っ張られた。

「きゃンッ!」

 ふいの衝撃に、少女のような声を出してしまった。

「おやおや、三十路の女性にしては、やけに可愛いお悲鳴で」

「馬鹿な真似、しないでっ!」

 真っ赤になって、片桐をにらむ。

「ここの毛があまりに黒ぐろと美しいものでね。ほおら、この格好でどうです」

「ああっ! いやあっ!」

 自分の下腹部を見て、あまりの淫猥さに顔から火を噴きそうになった。

 ショーツの上部に、黒い茂みが半分だけのぞいているではないか。

 はみ出した毛は、もしゃもしゃと下品にそそけ立ち、あられもない姿を見せていた。

「沼田君も見てみたまえ。この女、澄ました顔をしているくせに、あそこの毛はこんなに濃くてちぢれているぞ」
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