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牝獣の哭く夜
第8章 あばかれる秘密
(感じちゃ駄目っ……感じちゃ駄目だったらっ)

 なけなしの理性を総動員して、美貴は崩壊しはじめた肉体を立て直そうと焦った。

 その懸命な抵抗を嘲笑うがごとく、破廉恥漢の玩弄は勢いを増した。

 二本の指で両側の柔肉を拡げ気味に押さえ、心ならずも濡れてしまった粘膜を、残りの指でこすり上げてくるのだ。

(ああ、嘘っ……こんなに気持ちいいなんて……)

 蕩けそうな快感が立て続けに脳に届き、思わず足指がそりかえる。

 指の動きそのものより、それを無能な部下の眼にさらしていることの方が、心に突き刺さる。
 その嫌悪感が、女体の感度を上げている。

 これまでの人生で味わった、愛し愛された男との愛撫。
 そのどれよりも、痛切な快感に襲われそうになる。

(違うっ……き、気持ちよくなんかないわっ)

 蕩けるような愉悦を、必死に拒絶した。

 しかし、甘美な信号を受けとった肉体は、意志も理性も無視してしまう。

 女の貴重な宝石がむくむくと硬く膨らんでいくのを悟って、美貴はあわてた。
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