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牝獣の哭く夜
第9章 淫らな風景
「中はどうかな?」

 昂奮に惚けた耳に、片桐のしわがれた声が、遠く聞こえた。

 ほころびかけた肉ビラの奥が見たい。

 情欲の虜となった男たちの、当然の欲望だ。

 沼田と片桐の指が、右と左から美熟女の肉唇に触れ、めくり返してゆく。

「あっ、駄目っ……や、やめて……」

 女の悲鳴に重なって、ネチョッと淫らな音が聞こえた。

 まだ固まっていない接着剤を剥がしたような粘っこい糸を引いて、左右に開いた肉弁が鏡にまざまざと映った。

「あっ、あっ、やだっ」

「よーく、見えますよ。沢村課長のいやらしい孔が」

 拡げられた肉溝のあわいは、鮮やかなピンク色の粘膜をさらして、艶々と濡れ光る。

 奥深い谷間は複雑な肉脈を刻み、谷底に神秘の洞穴が息づいていた。
 肉孔はほんの少し口を開けて、より赤味の強い内部を覗かせる。

 粘り気の強い媚液がじんわりとにじみ出て、尻の狭間へと垂れた。

「やだっ、見ないでったらっ!」

 血を吐くように、美貴が叫ぶ。

 隣りで片桐専務がゴクッと唾を呑み込む音がする。

「もの欲しそうに動いているな」

 それだけ言うのがやっとのようだ。
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