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牝獣の哭く夜
第9章 淫らな風景
「このいやらしい孔に、何回突っ込ませたら、ソレムニティの仕事をもらえたんだ?」

 片桐が無遠慮に美貴の膣口に指を這わせた。

「下品なこと、言わないでください。
 何度言ったらわかってもらえるんです、諏訪部長とはそんな関係じゃないって」

「嘘をつけ! ウチの設計アイディアを盗んでいながら、いけしゃあしゃあと」

 片桐は淡い褐色の肉フリルを指先でつまみ、くいくいと引っ張るではないか。

「あ、やだ……な、なな、なにを……やめっ、やめてええぇっ!」

 美貴は狂ったように腰をひねって、片桐の指をのがれようとした。

 無駄だった。

 自らの言葉で怒りを増幅させたのか、中年男の狼藉はとまらない。

「我が社のアイディアを盗んだんだろ。ほれ、正直に言わんかぁ!」

 くにゃくにゃした肉ヒダが無残に伸びた。

 美貴は眉間に皺を寄せ、潤みかけた瞳で恨めしげに片桐をにらむ。

「……な、何を言えっておっしゃるんです?
 アイディアを盗んだとか、何のことだかさっぱりわかりません」

「あんたの設計はみんな、人のアイディアの盗用だろ。
 これまでもそうだったし、今回のソレムニティの案件でも、
 ウチの社の没案を、ちょっと手直ししただけのものじゃないか」

「じょ、冗談じゃないわ」

 泣きそうだった声が、たちまち険しいものになった。

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