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牝獣の哭く夜
第10章 砕け散る矜持
 懊悩する美貴のたわわな乳房を、片桐がやわやわと揉みはじめる。

「どうするね、沢村課長。

 もちろん、無理やりヤッてもいいんだけどねえ。
 その後で、写真と資料を諏訪部長に送れば、どっちにしろ、君はお仕舞いなんだからねえ」

「そうなれば、ヤラレ損ですよ。俺と片桐専務にこの悩殺ボディを差し出した方が、よかないですか」

 沼田の指先が美人上司の股間に伸びる。

 濡れそぼった肉溝を、ぶよついた指で縦になぞられ、美貴は身震いした。

「く、くううっ」

 美貴の身体は、男たちの悪戯な指の動きを、片端から官能の甘い疼きとして受け取ってしまう。

 次々と湧き上がってくる快美なインパルスは、理性的な判断を妨害する。

 それでも、桃色の靄のかかった頭を必死に働かせて、美貴は対処方法を検討しようとした。

 この十年間、美貴はデザイン設計に情熱を傾けてきた。
 人の何倍も努力し、寝食を忘れて仕事に取り組んできたのだ。

 可愛げのない女と、面と向かって罵られたこともあった。
 しかし、結果で見返そうと、毎晩遅くまでデザインを練ってきた。

 その成果として、業界でも少しづつ認められるようになった。

 今回のソレムニティの設計コンペは、その集大成ともいえた。

 その努力と研鑽の成果を、十年間のキャリアを、棒に振りたくはない。
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