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牝獣の哭く夜
第10章 砕け散る矜持



 美貴の懸命の抵抗を嘲笑うように、片桐の腰の動きがひときわ激しさを増した。

「それ、どうだ。イキそうなんだろ? ほれほれ、これで、どうだあっ」

「はああっ……い、いやっ……いやああッ」

(あううっ……も、もう……)

 駄目かもしれないと思いつつ、必死に官能の階段を昇るのを抑えようとする。

 恋人となら、とっくに達していただろう。

(あんたこそ、早くイッちゃいなさいよっ)

 美貴は片桐の射精を促すべく、恥ずかしいのを我慢して尻を振った。
 ぬちゃん、ぬちゃん、と卑猥な音が立つ。

 このまま官能の炎に身を任してしまいたくなる。

「うおぉっ……すごい、すごいぞ」

 片桐は嬉しそうな声を出す。

「出すぞ、美貴ィ! お前の中に出すぞおおっ!」

 ラストスパートで片桐の腰が猛烈に打ち込まれた。

 女肉が引き攣れる。
 敏感になった粘膜に、発射寸前の剛直がビクビクと身震いするのが感じ取れた。

「それ、食らええっ!」

「はうッ! はううううッ!」

 美貴は背筋をエビ反らせた。


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