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牝獣の哭く夜
第11章 夜景レストラン
 今朝、沼田が休みをとったと知って、美貴は人知れず胸を撫で下ろしたものだった。
 職場でどんな顔をして会えばいいのか、悩み続けていたからだ。

 被害者であるはずの自分が、悪いことでもしたような態度をとらなくてはならないことに、唇を噛みしめた。

 沼田には一刻も早く離職してもらいたかった。

 諏訪の言葉で、そうしたさまざまな苦悩が融けてゆく気がした。

 それでも、一度は片桐を受け入れてしまった我が身が、ずいぶんと汚れたものに感じられた。
 自分が諏訪の賞賛にふさわしい人間とは思えなかった。

(わたしはそんなに褒めてもらえるような女じゃないの)
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