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牝獣の哭く夜
第12章 ふたりの男
沼田はよれよれのシャツとスラックス姿だった。
腹の出た豚のような体躯は眼を背けたいほど醜い。
不細工な顔が美貴を見下ろす。
無精ひげを生やし、髪も乱れ、血走った眼だけが異様に炯《ひか》っていた。
「いまさら沢村課長の下で働けないだろ?
黙って去るのも口惜しい。
で、諏訪部長の前で、あんたを犯すことにした」
「な、何を言ってるの!?
ふざけたこと言わないでちょうだい――それに、ここはどこ?」
「知り合いのマンションさ。
防音設備もばっちりだから、どんなに大声を出しても大丈夫。
ご近所を気にしないで、悩ましい悲鳴をたっぷりと聞かせてくれよな。
諏訪部長様がどんな顔をするか、愉しみだ」
沼田は唇を歪め、諏訪に眼を移す。
「あんたにはとんだ災難かもしれないが、この女にかかわったのが運の尽きだと諦めるんだな。
しかし、今日は妬けたぜ。お二人さんがあまりにもお似合いで」
「つけてたのね」
「貧乏人は高級レストランなんか行けないから、外で待ちぼうけだったけどね。
さぞかし、おいしいものを食べたんだろうねえ」
ねちねちと言いながら、沼田はゆっくりと美貴の背後に周った。
腹の出た豚のような体躯は眼を背けたいほど醜い。
不細工な顔が美貴を見下ろす。
無精ひげを生やし、髪も乱れ、血走った眼だけが異様に炯《ひか》っていた。
「いまさら沢村課長の下で働けないだろ?
黙って去るのも口惜しい。
で、諏訪部長の前で、あんたを犯すことにした」
「な、何を言ってるの!?
ふざけたこと言わないでちょうだい――それに、ここはどこ?」
「知り合いのマンションさ。
防音設備もばっちりだから、どんなに大声を出しても大丈夫。
ご近所を気にしないで、悩ましい悲鳴をたっぷりと聞かせてくれよな。
諏訪部長様がどんな顔をするか、愉しみだ」
沼田は唇を歪め、諏訪に眼を移す。
「あんたにはとんだ災難かもしれないが、この女にかかわったのが運の尽きだと諦めるんだな。
しかし、今日は妬けたぜ。お二人さんがあまりにもお似合いで」
「つけてたのね」
「貧乏人は高級レストランなんか行けないから、外で待ちぼうけだったけどね。
さぞかし、おいしいものを食べたんだろうねえ」
ねちねちと言いながら、沼田はゆっくりと美貴の背後に周った。