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牝獣の哭く夜
第12章 ふたりの男
後ろに近づいてくる男の気配と体温を感じ、美貴は理知的な美貌を歪める。
「警察に訴えるわ。絶対に許しませんから。
あなたの一生が滅茶苦茶になるわよ」
「ご自由にどうぞ。覚悟は決めたと言ったでしょう」
「こんなことをして、恥ずかしくないの?」
「恥ずかしいのは、あんたのほうだろうが」
沼田は声を荒げて吐き捨てる。
「知ってるか?
この女は先週、東亜設計の片桐の野郎にヤラセたんだぜ。
知られなければ、なんでもやる女なんだよ」
沼田は濃紺のカットソーの胸元に手を触れ、肩越しに諏訪に話しかける。
「東亜の設計案を流用したのをバラされたくなければ一晩つき合えっていう片桐専務の申し出を、あっさり受け入れたんだ。
とんでもない女だろう?」
諏訪が驚いた目つきで美貴を見た。
問いただすような諏訪の視線を、美貴はまともに受けられなかった。
「警察に訴えるわ。絶対に許しませんから。
あなたの一生が滅茶苦茶になるわよ」
「ご自由にどうぞ。覚悟は決めたと言ったでしょう」
「こんなことをして、恥ずかしくないの?」
「恥ずかしいのは、あんたのほうだろうが」
沼田は声を荒げて吐き捨てる。
「知ってるか?
この女は先週、東亜設計の片桐の野郎にヤラセたんだぜ。
知られなければ、なんでもやる女なんだよ」
沼田は濃紺のカットソーの胸元に手を触れ、肩越しに諏訪に話しかける。
「東亜の設計案を流用したのをバラされたくなければ一晩つき合えっていう片桐専務の申し出を、あっさり受け入れたんだ。
とんでもない女だろう?」
諏訪が驚いた目つきで美貴を見た。
問いただすような諏訪の視線を、美貴はまともに受けられなかった。