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牝獣の哭く夜
第13章 すえたる菊
その菊は醋《す》え、
その菊はいたみしたたる、
あはれあれ霜つきはじめ、
わがぷらちなの手はしなへ、
するどく指をとがらして、
菊をつまむとねがふより、
「ぷらちなの手」ならぬ「ふらちな手」の指を鋭くとがらして、皺孔に伸ばす。
「いやあああッ!」
指が触れた瞬間、美貴は背筋を反らせた。
尻を激しく左右に振って、指先を逃れようとする。
しかし、フットスツールに縛られた身体は、虚しく沼田の指の暴虐を許してしまう。
しっとりと湿った感触だった。
指の下で、嫌がってアヌスがキュッと窄まる。
水中のイソギンチャクが敵にあって、すばやく触手を縮めるような動きだ。
人間の体内を貫く一筋の体腔器官の出口。
いや、ここも美貴の美しく悩ましい身体の内側への、ひとつの入口だ。
人差し指でぐりぐりと押してみる。
「触らないでっ……触っちゃ、いやっ……いやだったらっ」
叫ぶたびに肛門がヒクつく。
力を入れると指先が直腸内に潜り込みそうになる。
けれど、美貴が必死で括約筋に力を込めているせいか、濡れてないそこは案外に抵抗があり、容易に指先の侵入を許さなかった。