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牝獣の哭く夜
第13章 すえたる菊
 沼田は豚じみた鼻先を後ろから股間に近づけて、

「尻も臭いが、マ×コはもっと臭い。
 諏訪さん、沢村美貴って女、澄ました顔をしてるけど、本性は淫乱なスケベ女ですよ。
 俺みたいな下劣な男にいたぶられてオマ×コ濡らす、変態女ですよ。
 あんたみたいな立派な男性には向かないよ」

 言葉で美貴を貶《おとし》めながら、沼田の勃起肉は熱くたぎり、心は切なく沈んだ。

(俺みたいな下衆野郎に嬲り者にされて、どうしてこんなに感じてるんだ)

 毅然としていてほしかった。
 嫌悪する男の玩弄なんかで感じてほしくなかった。

(諏訪のこと、好きなんだろ。
 好きな男の前で、たいへんな恥をかくことになるのに)

 身体の奥底から湧いてくる肉欲と、胸をえぐるような切ない想い。
 ――沼田の心は二つの感情に切り裂かれ、それでも美貴を責め苛む行為をやめられなかった。
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