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牝獣の哭く夜
第13章 すえたる菊
「それじゃあ、そろそろ、諏訪部長の前で赤っ恥をかいていただこうかな」

 沼田はスラックスの前を突っ張らかせたまま立ち上がる。
 テーブル脇に置いた鞄から、今日のために用意した淫具を取り出した。

 男性器を誇張して象《かたど》った電動バイブ。
 直径四センチ、長さ二十センチほどの人工ペニスが弓なりに反りかえり、エラの張った亀頭部が禍々しく膨らんでいる。

「ほおら、これでたっぷり楽しませてやるぜ」

 柔らかい樹脂素材で出来ているため、女の目の前でバイブを振る。
 電動スイッチも入れてもないのに、反り返った胴部がぐにゃりぐにゃりと淫らに揺れた。

 美貴が引き攣った声をあげる。

「ひッ! やだ、そんなもの使わないでっ」

「どうだい、見ているだけで濡れてくるだろ。
 諏訪部長に見られながら、これで天国に昇天するんだ」

「お願い……諏訪さんの前でだけは、ゆるしてっ……うっ、うううっ」

 気丈な女性デザイナーは泣き崩れた。

「そうだ。大好きな男に見てもらうには、この位置じゃあ駄目だよな」

 沼田は美貴の尻をよいしょと持ち上げると、フットスツールごと回転させていった。
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