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牝獣の哭く夜
第2章 祝賀会の夜
仕事はきつかったが、やり甲斐はあった。
なにより、自分の能力が認められるのがうれしかった。
課員たちと同じ目的に向かって進むチームだと感じられた。
「ねえ、ワインをボトルで入れようよ。今日の会費は会社もちだって、部長の了解もとってあるわ。少しぐらい高いワインでもいいわよ」
「やった!」
隆介がうれしそうに叫んだ。
ワインでもう一度乾杯し、互いに軽口を言い合ったり、仕事での失敗を面白おかしく語ったり、楽しい時を過ごす。
いつもは寡黙な八木原も隆介や朱里の冗談に何度も笑い声をあげていたし、沼田の下品なジョークも今日だけは気にならなかった。