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牝獣の哭く夜
第16章 あかされた奸計
 美貴の脳は、言葉の意味を理解することを拒否した。

 泣き濡れた眼が泳ぐ。

「案外、鈍い女だな。まだ気がつかないのか?」

 頭の弱い子を諭すような口ぶりだ。

「もちろん、お芝居だよ。
 きみみたいな気位の高い女が、嫌がりながら淫らなことをするのを愉しむためのね」

 美貴の体内に埋めたままのペニスをひくつかせて笑う。

 アクメの余韻で朦朧とした脳裏に、ようやく諏訪の言わんとすることが届いた。

(龍彦さんが沼田や片桐と……グル?
 みんなで示し合せてわたしを辱めていた?)

 刹那、美貴の心は悲鳴をあげた。

「いやあッ! そんなの、いやあああああッ!」

 現実を拒否するように、悪夢を追い払うように、ぶるぶると首を振る。

 美貴は胸奥から悲痛な叫びを絞り続けた。
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