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牝獣の哭く夜
第16章 あかされた奸計
「違いますっ。
 わたし、そんな変態なんかじゃありませんっ」

「さっきは恥ずかしげもなく、何度もいやらしい単語を連呼してたじゃないか。
 あん。
 きみ見たいなお上品な澄まし屋があんな言葉を口にして、けっこう感じたぞ」

「言わないでっ」

 叫んだが、体内でむくむくと体積を増す肉の圧倒的な充実感に、声がかすれ気味になる。

 諏訪だけではない。
 あんなに激しく昇り詰めたというのに、美貴の身体も、次の悦楽の頂きに向けての登頂を始めていた。

(駄目よ、駄目だったらっ……
 お願い、もう感じないでようっ)

 自分の身体に必死に言い聞かせる。

 肉の軛《くびき》から逃れようと身悶えるたびに、鉄のような硬さと、焼けるような熱さが、膣穴にはっきりと伝わってくる。
 さっきまで愛おしかったその硬さと熱さが、今は鳥肌が立つくらい汚らわしい。

 それなのに、脈打つ肉の感触がたまらない愉悦となって、肉ヒダの一枚一枚に沁みとおってくるのだ。

(ああっ、これじゃあ、本当に変態だと思われちゃう……)
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