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牝獣の哭く夜
第16章 あかされた奸計
 快楽の登頂を避けようと、なけなしの理性とプライドをかき集める。
 きりきりと歯を食いしばる。

 そんな苦闘を嘲笑うかのように、諏訪は軽く腰を上下させた。

「しかし、気をやる時はでかい声を遠慮もなく出してくれたな。
 いくら防音されているとはいえ、気が気じゃなかったぞ。
 少しは慎め」

「あっ、あっ、駄目っ。ひッ……く、くくっ」

 後ろ手の裸身がビクンと反り返る。
 食いしばった歯の間から、悩ましい吐息が漏れ出るのを止められない。

 諏訪の放った白濁液は、美貴自身が滲み出させた蜜液と混ざり合い、極太肉の封印で膣内に溜まっている。
 そのぬめり液が潤滑油となった。
 諏訪がちょっと腰を動かしただけで、硬い牡肉と柔らかい牝ひだがこすれ合い、狂おしい快感を与えてくる。

 暴走を始めた女体を制御すべく、美貴は涙の滲んだ双眸でキッと諏訪をにらんだ。

「エステ設計を任せてくれたのも、わたしの身体が目当てだったんですか」

「自惚れるな」

 諏訪はその一途な視線を軽く受け流すと、片手で美貴のシャープな顎を押さえ、犬歯を見せて笑った。

「おまえ程度の身体なら、いつでも手にはいる。
 もっと若くて美人の、何でも言うことを聞いてくれる女がいくらでもね」

 いつの間にか、美貴の呼び方が「きみ」から「おまえ」に代わっていた。
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