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牝獣の哭く夜
第17章 春深く
 他ならぬその諏訪が、沢村美貴を凌辱の相手に選んだ。
 美貴の美貌と才能を一流だと認めたということだ。
 美しいだけではなく、才能やセンスがあるが故に、こうして淫魔の餌食になったのだ。

 こんなに綺麗な女《ひと》が、ひたむきに生きてきた女性が、諏訪みたいな自分勝手な男に凌辱され、意志に反して官能にのたうち廻っている。

 嬲られ、辱められて、この気品ある裸身がどんな破廉恥な姿をさらすのかと想像すると、股間の肉棒はいまにも暴発せんばかりに煮えたぎった。

 諏訪の身体の下で懸命に抵抗する美貴の視線が、一瞬、沼田の視線と絡む。
 そのとたん、美貴はいやいやをするように首を左右に振って、凌辱者に哀願した。

「お願いっ……せめて……せめてあの男を部屋から出してっ」

 諏訪は腰の動きを一瞬とめた。
 旧友に片目をつぶって、ニヤリと笑う。

「甘えるな。おまえにそんなことを願う権利はない」

 女の悲壮な懇願を一蹴し、腰を大きくグラインドさせた。
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