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牝獣の哭く夜
第17章 春深く
「嫌いな男に見られた方が、おまえのようなドM女は燃えるんだろう?
 ほら、沼田に思いっきりいやらしい姿を見せてやれ」

「ああ、ひ、ひどいっ……ひっ、ひいいいっ」

 甲高い悲鳴が上がる。
 諏訪が美貴の膝裏に手を掛け、グッと持ち上げたのだ。
 白い尻が浮く。
 太腿丈ストッキングの下肢が思いっきり開かれ、上半身の方に折れ曲げられた。

「嫌ッ。こ、こんな格好、恥ずかしい……
 恥ずかしいですっ……はううっ」

 諏訪はゆっくりと身体をかぶせてゆく。
 体重がもろに結合部にかかった。
 女の動転ぶりからして、雄大な怒張が子宮をしたたかに打ち抜いたみたいだ。

 憧れの上司は、押しつぶされた蛙のような無様な姿をさらしていた。
 旧友の背中から腰にかけての筋肉が躍動する。
 官能の強風に耐えかねたのか、宙に浮いた女の下肢が、嵐の中の小枝のように揺れた。

「ああっ、こ、こんな……ひっ……う、動かさないでえっ」

「馬鹿か。動かすから気持ちいいんだろうが」

「あっ、あっ……だめだめっ、だめええっ!」

 ふくらはぎが引き攣り、足裏が反り返る。
 黒い極薄ナイロンの下で、土踏まずの薄い皮膚がピンと伸びるさまが、沼田の劣情をそそった。
 肉棹をしごく手にも力がはいる。

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