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牝獣の哭く夜
第2章 祝賀会の夜
「ウチが採用になったのは、実力で勝ち取った結果です。諏訪部長がそんな下心の持ち主ではないことは、みんな知ってますよ」
隆介がとりなすように言った。
「でも、それはそれとして、諏訪部長が沢村課長に特別な関心を寄せてるのも確かだと思うなあ」
「そうそう。やましい心がないからこそ、あんな眼で沢村課長を見つめることができるのよね。たぶん、課長の美しさだけじゃなく、才能にも惚れたんだわ。ね、課長、諏訪部長と来週、逢うんですよね?」
「それは今度のプロジェクトの打ち合わせよ。勘違いしないで」
「課長と諏訪部長、美男美女のお似合いのカップルですよね」
「もう。いいかげんに上司をからかうのはやめて」
美貴は苦笑いをする。