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牝獣の哭く夜
第2章 祝賀会の夜

「だけど、長年、ソレムニティの仕事をしていた片桐専務にとっちゃ、大打撃なのは間違いない。これから何かと嫌がらせがあるかもしれないぞ」

「そのとおりよ」

 と美貴もうなずいた。

「あなたたちも軽率な言動は慎んでね。諏訪部長にもご迷惑がかかるかもしれないんだから」

 飲み会もお開きとなり、エスニックレストランを出る。

 隆介と朱里は同期を誘って二次会に行くとかで、その場で別れた。

「あの二人、絶対出来てるよな。今夜はお泊りだぜ」

 沼田が並んで去っていく二人の後ろ姿を見て、うらやましそうにつぶやく。

 それを聞き流して、

「わたしもこれで帰るわ。今日は楽しかった。また来週、よろしくね」

 沼田と八木原に手を振ると、ひとり駅に向かった。

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