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牝獣の哭く夜
第21章 全裸の早朝散歩
 女の穴という穴を責められてからというもの、たった数日、諏訪の愛撫を受けないだけで、性愛の飢餓状態に陥った。
 仕事中も、夜ひとりで寝る時も、身体が疼いてたまらない。

 毎晩のように、諏訪を想って股間に指を這わした。
 数年間も男性と肌を合わせなくて平気だった自分が、もう想像もできなかった。

 乳首も秘裂もアナルも、一日中、化膿した傷口のようにズクンズクンと熱をもつ。
 痛いような、痒いような、掻き毟りたい心地がつきまとった。

 なかでも美貴を狼狽《うろた》えさせたのは、生えかけの恥毛だ。
 わずかに伸びた毛がデリケートゾーンにチクチクと刺さり、落ち着かないことこの上ない。
 デスクワークの最中に何度も座り直したり、脚を組み替えたりせざるをえなかった。

 そんな時、ふと気がつくと、沼田がこちらを向いていた。
 口元に浮かべた下品な笑みは、美貴がお尻をもぞもぞさせている理由を知っているからだ。

 暴虐の翌日から、沼田は何事もなかったかのような顔をして仕事にもどった。

 美貴を見る視線にはいやらしい光りが宿っていたものの、ほかの課員に不審に思われるような行動はとらなかった。
 諏訪から禁じられていたのか、怖れていたような、社内での淫らな要求もなかった。
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