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牝獣の哭く夜
第21章 全裸の早朝散歩
 木陰から木陰へと身を隠し、美貴はおずおずと歩き続ける。

 いくら手で覆っても、剥き出しの裸体をすべて隠しきれるものではない。
 乳肉がゆれれば、薄紅色の乳首がのぞく。
 無毛の恥丘や肉の縦割れも、指の隙間より、ちらちらと垣間見えてしまう。

 ヒールは許してもらえたので、素足で歩くのは避けられた。
 けれど、ハイヒールを履いていることで、かえっていまの情けない状態が強調されるようだ。

 つい半月まで、このハイヒールで社内や街中を自信に満ちて歩いたものだった。
 颯爽とウェーブヘアをなびかせ、カッカッとヒールの音もクールに、胸を張って歩くことができた。

 同じそのヒールを履いて、なんて今の自分はみじめなんだろう。
 生まれたままの素っ裸にされ、へっぴり腰の内股で、罪人の市中引き回しのような姿をさらしている。

 それなのに――

(ああん、どうして……)

 いつしか美貴は発情していた。
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