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牝獣の哭く夜
第3章 拘束ホテル

 相変わらず頭が重かった。
 たしかにアルコールの酔いは残っているのだが、それだけではないようだ。

 実は新たな困惑を覚えていた。
 さっきから下腹部に重苦しい切迫感を感じていたのだ。

 差し迫った尿意だった。

 考えてみれば、宴席の後半からトイレに行っていない。

 すでに、かなりまずい状態になりつつある。
 目が覚めたのも、そんなところに原因があったのかもしれない。
 一度意識すると、尿意は耐えがたいほどに下腹部を刺激した。

(ああ、困ったわ)

 もう一度、両手を引いてみる。
 どんなに力を入れても十センチくらいしか動かない。

 スカートが乱れるのもかまわず、半身を起そうと試みたり、身体を横向きにしようとしたりしたが、足首も固定されている状態ではほとんど効果はなかった。

 いや、それよりなにより、まだアルコールの酔いを残した身体では、尿意の我慢に力が入らない。
 あまり激しく動くと漏らしてしまいそうだった。

(どうしよう……)
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