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牝獣の哭く夜
第3章 拘束ホテル
動けないと思うと、よけい排尿感が強く感じられる。
このまま、誰も助けに来てくれなかったら、どんな醜態をさらしてしまうのか。
スーツ姿のまま、ベッドの上で失禁――そんな事態だけは避けたかった。
下腹部の尿意はすでに軽い痛みにまで達していた。
なだらかに盛り上がった白いブラウスの胸が、ゆるやかに上下する。
気丈だった眼が泳ぎはじめる。
今や眉間には深い溝がはっきりと刻まれ、ローズピンクに彩られた唇は一文字に結ばれた。
無駄と知りつつ、もう一度、手首の拘束具を引っ張ろうとした時、部屋のドアが開く音が聞こえた。
「やっとお目覚めのようですね、沢村課長」