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牝獣の哭く夜
第24章 彼の眼差し 彼女の脚

 絶頂に達しようとする美貴の裸身の蠕動は、しかし、ああ何という美麗事だろう。
 無意味に負けた女体は、何という高貴な輝きを持っているのだろう。

 つつましくて満ちてゐて
 星宿のやうに森厳で
 山脈のやうに波うつて
 いつでもうすいミストがかかり、
 その造型の瑪瑙《めのう》質に
 奥の知れないつやがあつた。

 瑪瑙質の肉珠が、秘肉の先端に剥き出しだった。
 自らの淫液で濡れ尖り、野太い肉棒にこすられて、奥の知れない艶があった。

 理性も誇りも失い、見栄も外聞も捨て去った女の姿は、眼を背けたいほどに情けない。
 それなのに、こんなにも美しく、目が離せないほど、いやらしい。
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