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牝獣の哭く夜
第3章 拘束ホテル
 部下にそんな醜態をさらしたのかと思うと、美貴は顔から火が出るような思いだった。

 これまで一度も泥酔などしたことのない美貴だが、昨夜は大きな仕事を終えて気がゆるんでいたのだろうか。
 ここ一週間ほど深夜まで働き、ろくろく眠っていなかったから、疲れが出たのかもしれない。

 しかし、すぐにここがホテルの一室であることに気がついた。

「でも沼田さん。ここは……」

 酔った女性をホテルに連れ込む。
 その目的は、もちろんひとつしか考えられない。

「あれえ。まさか俺が沢村さんをどうにかしようとして、このホテルに無理やり連れ込んだって思ってやしませんよねえ。親切に介抱してあげたのに、そりゃあ心外だなあ」

「だったら、すぐにこの腕輪をはずしてちょうだい」

 下腹部の切迫を気づかれないように、美貴はつとめて冷静に言った。

 しかし、沼田は相変わらずニヤニヤ笑って、動こうとしない。


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