この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
牝獣の哭く夜
第3章 拘束ホテル
「だから、それはできませんって」
「どうして? ふざけてないで、とにかくまず、自由にして」
「しつこいなあ。だって、こうして欲しいって言ったのは沢村さんなんですよ」
「言ってる意味がわからない」
「このホテルに誘ったのは沢村さんなんだぜ。覚えていないの?」
沼田の口調が微妙にかわる。
美貴は切れ長の眼を大きく見開いた。
「う、うそッ」
「嘘じゃないですよ。タクシーに乗ったら、今夜はどうしても帰りたくない。俺と朝までいたい。ホテルに連れてって欲しいって、抱きついてきて。そりゃあしつこくからんで、ホント、恥ずかしかったぜ」
「……そんなことを言った覚えはないわ」
「そりゃあ、覚えてないでしょう。とにかくベロベロに酔ってらっしゃいましたからねえ。ホテルに行かないとおさまらない騒ぎで、俺もやむなく、このシティホテルに入ったってわけ」