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牝獣の哭く夜
第3章 拘束ホテル
「そんなにヒステリックになるなよ。いつもクールな女課長さまらしくもない。なんだか、おっかしいなあ。モジモジしてどうかしたのかな?」

 沼田はニヤニヤ笑いながら、美貴を見下ろす。

(……この男、気がついている)

 部下の眼の中に、すべてを承知して、それを楽しむ嗜虐的な悦びの色を見出す。

 美貴は愕然とした。
 そんなに飲んだ覚えもないのに意識を失ったのも、何かおかしかった。

「ヘンな薬を飲ませたのね」

 沼田は肯定も否定もせず、小馬鹿にしたような笑いを浮かべていた。

 なんとかしなければ、女性として、いや社会人として、とんでもない恥をさらす羽目になる。

 しかし迫りくる尿意をかかえた身では、まともな思考ができなかった。
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