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牝獣の哭く夜
第4章 脱がされて
(どうしよう……ああ、どうしよう……)

 頭の中は混乱し、心は千々に乱れ、どうしていいのか分からない。
 優秀な女性管理職としての冷静な判断力は霧散してしまった。

 ふだんの美貴なら、冗談じゃないわッ、の一言で切って捨てただろう。

 しかし、今や、そんな強がりを言える状態ではなかった。

 拘束を解かれたら、男を振り切り、走ってトイレに駆け込もうかとも思った。

 しかし、沼田の執拗な愛撫やいたぶりの間じゅうこらえていた尿意は、すでに限界まできており、激しい動きをしただけで決壊してしまいそうだった。
 恥を忍んでトイレに行かせてくれと頼んだのも、もう嫌悪の身悶えさえ苦痛になってきたからだ。

 男にホテルに連れ込まれ、ベッドに拘束されてしまった以上、無事ではすまないことはわかっていた。

 淫らな行為を仕掛けられたら思いっきり抵抗する。
 もし身体を奪われてしまっても、絶対に許さない。
 警察に届け、社会的に葬り、充分に罪の償いはさせるつもりだった。

 それだけの覚悟はできていた。

 けれど、凌辱者に自分から淫らな口唇奉仕をするなんて、プライドの高い美貴にとっては容認できることではなかった。
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