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牝獣の哭く夜
第6章 新たな陵辱者
「さあ、もういいだろう。部屋に戻るぞ」

 沼田は美貴の裸身を乾いたバスタオルで拭くと、横柄に命じた。

 あいかわらず手足は革ベルトで拘束されている。
 よちよち歩くのがやっとだ。
 男を突きとばして逃げるなど、とても無理だった。

「今度は立ち姿で、天井から吊らせてもらいますよ」

 沼田はフットスツールを足台にして、ロープを天井の空調器具の隙間を通して垂らした。

 浴室で濡れた靴下を脱いで、腹の出たドス黒い全裸をさらしている。
 動くたびに、半勃ちの醜怪な肉棒がぶらぶら揺れるのが、見るに堪えない。

 美貴は沼田の顔色をうかがった。

 両腕を吊るためには、いったん、後ろ手の拘束を解く必要がある。

 両手が自由になる瞬間を狙って思いっきり暴れたら、足のベルトをはずす時間ぐらい稼げるかもしれない。
 いざとなったら、たとえ裸でも部屋から飛び出してフロントまで走ればいい。

 その覚悟を美貴がした時、沼田が唇を歪めた。

「暴れるんじゃないぜ。ベルトのリングをはずす前に、ロープは結ぶからな」

 と、鼻の穴を得意げにふくらませる。


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