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牝獣の哭く夜
第6章 新たな陵辱者
(どうせ早漏でしょ)

 胸裡で相手を嘲る。

 何も感じずに、男だけ早く終わらせてやる。
 泣いたり恥ずかしがったりしたら、相手を嬉しがらせるだけである。

 ショーツにストッキングの立ち姿で吊り上げられたまま、美貴は年上の部下をにらみつけた。

 そのとき、ノックの音が聞こえた。

 不安気な表情を見せる美貴をよそに、沼田はドアのほうに消えた。

 すぐにドアを開ける音がした。

 沼田の後ろから、痩身の中年男があらわれる。

 度の強い黒縁眼鏡をかけ、満面の笑みを浮かべた男とは面識があった。

「沢村課長、お久しぶりです」

「……!」

 美貴は息を呑んだ。

 東亜設計の役員の片桐だった。

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