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牝獣の哭く夜
第6章 新たな陵辱者
驚愕と羞恥で、全身の血がカアッと沸騰する。
「ど、どうして、あなたがっ!?」
美貴は手首が軋むのも忘れて、優美な裸身をのたうたせた。
あまりに意外な人物の登場に、恥ずかしがる姿を見せまいという決意は霧消してしまった。
「おやぁ、首筋まで赤く染めて。私に裸を見られるのが、そんなに恥ずかしいですか?」
片桐は渦の巻いた眼鏡の奥から、ねっとりと美貴の裸身を見つめる。
これまで片桐専務と会うのは、業界での会合の席や、今回のソレムニティ・グループの企画コンペのような場だった。
一流設計事務所の重役とはいえ、自分の仕事に自信を持っていた美貴にとって臆するものはなく、対等の相手として接していられた。
ただ、気がつくと上目遣いの三白眼でじっとこちらを見ていることが多く、そのたびに背筋に悪寒を走らせたものだった。
その粘ついた視線が、いま、自分の裸身に向けられているのだ。
どんなに身体をひねっても、剥き出しの乳房も、濡れたままのショーツも、隠しようがない。
腕と肩で、紅潮した顔を隠すのが精一杯だった。