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滲む墨痕
第4章 一日千秋
身震いとともにふるりと揺れたそれを何度か揉みしだいたあと、すでに硬く張っている先端を摘まみ上げ、軽く引っ張るようにしながらこすりつぶす。興奮は加減知らずだ。
「昭俊さ……っ」
『うっ、ん』
「昭俊さんは……どうなって、ますか」
潤は、あの夜に見られなかった濃灰色の下着を内から押し上げる猛りの正体を想像しながら、はしたない好奇心を口にした。恥じらいはどこかへ消えてしまった。それは藤田も同じようで、答える声には戸惑いがない。
『熱いです。身体が浮くような、感覚で……あぁ、うっ……』
小さな呻き声のあと、深く吐き出される息の音。
『早く……っ、れたい』
途中で声が途切れても、彼がなにを望んでいるか潤にはわかった。自身の中にも同様の気持ちが湧き上がっているから。
生身の彼自身はその大きな手のひらに包まれ、熟知した手つきで上下に扱かれ、ひどく硬質な熱塊となって天を向いているのだろう。その先端が目指すのは、ここにいる自分の中の、奥深い秘密の場所。迎え入れる準備は整っている。