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滲む墨痕
第4章 一日千秋
「あ、熱いのっ……」
潤はうわずった声をあげ、目を開けた。下半身を包む人工的なぬくもりが煩わしくなるほど、全身が熱を持ち汗ばんでいる。左手にある携帯を耳から離してハンズフリー通話に切り替え、手放し、敷きマットを蹴ってこたつを脱すると、ジーンズとショーツをすばやく脱いだ。
スピーカーからは、かすかな雑音とともに藤田の生々しい息遣いが発される。静寂に満たされた部屋に溢れ出るその喘ぎは、まるで彼と同じ空間にいるように錯覚させ、一人でしている自覚をなくさせ、さらに大胆にさせる。
ふたたび目を閉じ視界を遮った潤は、自らMの字に開脚し、脳内で目の前にいる藤田に濡れそぼった秘部を晒した。
「脚、ひらいたの……見て……」
『ああ、潤……』
切なげな声で名前を呼ばれ、秘芯をこする右指の動きが速まる。潤はためらうことなくセーターの裾から左手を入れ、インナーとブラジャーをずり上げてふくらみを掴んだ。