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滲む墨痕
第4章 一日千秋
それを絞って広げると、淫欲を持て余して情けなくすら見える剛直を覆う。
「綺麗にしてあげる」
その色っぽい一言とともに、薄い布を隔てた手淫が始まった。
左手で根元を圧迫しながら、ハンカチを持つ右手で拭きあげる。ときおりねじるような動きを加えたり、不意打ちで二つの垂れ袋をまさぐったり、美代子はあきらかに愉しんでいる。
それはもはや拷問だった。張りついた濡れ布の下に透けて見える赤黒い怒張は、ぬめる女襞に直接包まれたいと脈動する。腹の底からせり上がってくる邪淫な興奮が、誠二郎に切迫した声をあげさせる。
「なあっ……もういいだろ」
その手首を掴んでも、美代子はわずかに首をかしげて笑みを浮かべるだけで手を止めない。それどころか上下する動きを速めた。