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官能書道/筆づかい
第2章 優筆
「そっちも、データをわたしてください」

 涼子が睨んだまま言うと、鹿島はポケットからUSBメモリーを取り出した。
 涼子は奪うようにメモリーを受け取り、バッグにしまう。

「本当に他にデータはないんでしょうね」

 鹿島は口元に笑みを浮かべて、軽く肩をすくめた。

 それから、テーブルの淫具を手に取り、しげしげと眺める。
 どぎついピンク色の樹脂製で、鰓の張った亀頭部も弓なりに反った胴部も、勃起したペニスを毒々しく誇張した形状である。

「なるほど、これが涼子さんのご愛用品ですか」

 亀頭部を鼻先にかざし、くんくんと臭いを嗅いだ。

「この部分があなたのアソコの中に入っていたんですよね。
 うむ、なんか臭うな。
 なるほど、これが今をときめく美人書道家、松川涼泉のオマ×コの臭いか」
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