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官能書道/筆づかい
第2章 優筆
「……いやらしいこと、言わないで」

「いやらしいのは、あなたの方でしょう。
 だって、これを万引きしたのは、涼子さん、あなたなんだから」

 事実だけに、涼子は黙らざるを得なかった。
 鹿島の溜飲が下がる。

「万引きしてまで、欲しかったんでしょう、これが」

 鹿島は柄についたスイッチを押してみた。
 モーター音と共に、先端部がぐにぐにと回転し、えげつない動きをはじめた。

「ほう、こりゃすごい。この動きを愉しまれたのかな。もう何回ぐらい、これをお使いになったんですか?」

「いいかげんにしてくださいっ! シャワーを浴びてきます」

 鹿島の悪趣味な言い方に耐えられなくなったのか、涼子は柳眉を逆立ててバスルームに向かおうとした。

 その手を鹿島はすばやく掴んで引きとめる。

「いや、シャワーは後だ。その前に、やってもらうことがある。あなたにここで裸になってもらいたい」

「え?」
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