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官能書道/筆づかい
第2章 優筆
「ここで服を全部脱いで、素っ裸になってほしいんですよ」

「そんな……」

 涼子の美貌がこわばった。

 怒りと蔑みに混じって、これまで見られなかった怯えの色が、かすかに生じている。
 そのさざ波のような感情の乱れを見て、鹿島の嗜虐心が刺激される。

「覚悟の上で来たんでしょう、涼子さん。
 今さら、そんなもこんなもないですよ。
 男と女がホテルのひとつ部屋に泊まるんだ。
 やることは決まっている。
 早いか遅いかの違いでしょう。
 いや、ご自分で脱ぐか、僕に無理やり裸に剥かれるかの違いかな」

 歯を剥き出して笑った。

 こんなやり取りに、自分でもあきれるほど欲情していた。
 デニムパンツの中の怒張が、手にしたバイブ並みに血管を浮かべて勃起するのを感じる。
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