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官能書道/筆づかい
第2章 優筆
 脚の付け根と膝のちょうど中間あたりに手を添えて、涼子は自らの腿を左右に開いていった。

「くぅ……」

 恥辱に歪んだ鼻声を、鹿島は聞き逃さなかった。

 すべすべとした肌理細かな内腿を見せて膝が分かれ、優美な両脚が無残な菱形を描いた。
 あからさまになった股間を隠したいのを耐えているのか、内腿に添えられた指先がわなわなと震えている。

 鹿島の血走った眼は、美貌の書道家の秘められた亀裂に釘付けとなった。

 左右に盛り上がる柔らかい肉唇が、中央でくっきりと清冽な縦溝を形作り、肉ヒダのはみ出しはほどんどない。
 奥深そうな割れ目の先端の肉芽も、はしばみ色の上品な皮をかぶったままである。

 たおやかな恥丘を太筆でひと刷けしたような黒々とした直毛は、女裂の左右ではほとんどなくなる。
 薄墨でぼかしたような柔毛が、あわあわと生えているだけだ。

 想像通りの、淑やかで慎ましい秘裂だった。

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