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官能書道/筆づかい
第2章 優筆
 今度は硬く眼を閉じた。
 長い睫毛が小刻みに震えている。

「覚えてなさい……」

 口惜しげに言って、涼子は両手で股間を隠すように覆った。

 辱めに耐え切れないとでも言うように、両脚が手を挟んで、内股に閉じられる。

 それから、おそるおそる、股が開いていく。
 開くにしたがって、肉の割れ目にかけらえた指先も、左右に離れていった。

 見ていて胸が切なくなるような、羞恥の風情だった。

 両手の人差し指と中指が添えられた肉唇が、右と左に少しづつ開き、内部が見えはじめる。

 鹿島は涼子の下肢の間に身を乗り出すようにして、淫靡で蠱惑的な光景を見つめた。

 鮭肉色の柔らかな粘膜。
 美貌の書道家の秘奥が姿をあらわした。
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