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官能書道/筆づかい
第1章 蔵鋒
松川涼子は新進気鋭の書家である。
書道ブームの昨今、その美貌と実績からメディアに取り上げられることも多い。
しかし、生き方アピールばかりが目立つ女性書道家や、ちょっと美人ということでちやほやされているアイドル書道家とは、同じようにテレビや雑誌への登場が多くても、レベルが違う。
伝統書道の世界で才能を認められ、明経書法展や東美展などで数かずの賞に輝いた実力派だった。
鹿島が涼子の住まいにくるのは三年ぶりである。
涼子の父親の松川雅泉《がせん》に師事し、書の道に研鑽していた頃が夢のようだ。
今にして思えば、あの頃が鹿島の人生でもっとも充実した日々だった。
最後にこの家に来たのが、師の葬儀の席だったのも皮肉である。
あのときの涼子は喪服を着て、白い肌が抜けるように美しく、艶めいていた。
そのときの涼子の姿と、今の書作をする凛とした姿をかさねて、鹿島は胸が熱くなるのを感じた。
いや、これからのことを思うと、股間も熱くなる。
書道ブームの昨今、その美貌と実績からメディアに取り上げられることも多い。
しかし、生き方アピールばかりが目立つ女性書道家や、ちょっと美人ということでちやほやされているアイドル書道家とは、同じようにテレビや雑誌への登場が多くても、レベルが違う。
伝統書道の世界で才能を認められ、明経書法展や東美展などで数かずの賞に輝いた実力派だった。
鹿島が涼子の住まいにくるのは三年ぶりである。
涼子の父親の松川雅泉《がせん》に師事し、書の道に研鑽していた頃が夢のようだ。
今にして思えば、あの頃が鹿島の人生でもっとも充実した日々だった。
最後にこの家に来たのが、師の葬儀の席だったのも皮肉である。
あのときの涼子は喪服を着て、白い肌が抜けるように美しく、艶めいていた。
そのときの涼子の姿と、今の書作をする凛とした姿をかさねて、鹿島は胸が熱くなるのを感じた。
いや、これからのことを思うと、股間も熱くなる。