この作品は18歳未満閲覧禁止です
官能書道/筆づかい
第3章 穂先
甲高い声をあげたが、涼子は逆らわなかった。
貌を横に向け、片手を胸に、片手を口元にやって、おとなしく男に下肢を委ねる。
もわぁっ……
これまで漂っていた女の香りとは桁違いの淫臭が、鹿島の鼻を襲った。
涙がにじんできそうなほどの、痛烈な刺激臭だ。
(涼子さんも、こんな匂いをさせるんだ……)
胸を去来するのが幻滅なのか感動なのか、鹿島にもよくわからない。
ただ、それによって気持ちが萎えるどころか、ますますたぎってくるのだけは確かだった。