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官能書道/筆づかい
第3章 穂先
 平坦な下腹部に穂先をすすめる。

 触れるか触れないかの微妙なフェザータッチでさわりと刷くと、すべすべした肌がぞわぞわ蠢くのが眼を愉しませる。

「はぁン……くう、くぅン……」

 仔犬が甘えかかるような声が、耳に心地よい。

 そのまま、なだらかな盛り上がりを見せる丘陵に沿って、すーっと穂を滑らせた。

「はああぁッ……」

 指先を噛みしめて、涼子の身体がのけぞる。
 肌理《きめ》細かな下腹部の表面がさざ波のように揺れ、美しい鳥肌がたった。

「気に入ってもらえたようですね」

 恥丘に生えそろう秘毛を、丁寧に梳く。

 柔らかな白い羊毛と、艶やか黒い繊毛が、鮮明な対象を見せて妙《たえ》なる眺めだった。
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