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官能書道/筆づかい
第4章 揮毫
「兌」の「八」は、双乳の下部輪郭線――バージスラインに沿って書かれていた。
横にした3の形の、ふたつの円みをなぞるように、右払いと左払いが美しい曲線を描く。
平らな腹部に踊るのは、「兄」の「口」部――θの上部をU字にした古来の形だ。
左右の払いが、なだらかな下腹部を縦断する。
涼子の漆黒の恥毛が、そのまま収筆の筆勢だった。
そして、リッシン偏は黒蛇がくねるように、肩から脾腹を通って太腿まで達する。
鏡に映すのを考慮して、左右逆に書いてあった。