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秘メゴト
第2章 ○○する、される
「……何?」
何やら考えて、なかなか話し出さなかった勇史だが、不適に右側の口角を上げると伊都の耳元に唇を寄せる。
「……アイツ、伊都に接触してくるな。少し相手してやれよ」
「え?どういう…」
聞き返すと『後ろを見ろ』という意味だろう、勇史は顎を上げ伊都の後方を指した。
忙しなく改札へ急ぐ人波の中
波を止めるものがある。
そこにいたのは、柿元だ。
何か言いたそうな顔をしているが、勇史がいてこちらに来れない様子だ。
痴漢をしていた勇史、実際はプレイを楽しんでいたのだが柿元にしてみれば、そんな事は知らない。
痴漢男と話しているのが、理解出来ないのかもしれない。
「今アイツの頭の中、伊都のことでいっぱいだろ…お前の好きにするといい」
「言ってること、分かんないよ勇史君」
「話せば分かる……気持ちいいこと好きだろ?俺はこのまま大学に行く。夜はいつも通りな」
頭を撫でられ、ちょうど来た電車の中へと消えて行った。
「古坂さん」
勇史を見送る伊都の後ろから
声がかかる。
「……柿…元君」
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