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秘メゴト
第3章 変わりゆく日々
翌朝
伊都は、勇史の腕の中で目覚めた。
暫く勇史の寝顔を眺めていたが、直ぐに柿元と電話中だった事を思い出し慌てて携帯を探した。
ベッドの脇に落ちていた携帯を拾い、画面を見たが当然通話は切れている。
「どうしたっけ…覚えてないや」
気付けば下半身は何も身に付けてなく、 あのまま眠ってしまったのは間違いない。
ちょっとした自己嫌悪に落ちたが、思い直しシャワーを浴びようと立ち上がろうとしたら腰を引き寄せられ、再び勇史の腕の中に戻された。
「勇史君、起きたの?」
「ああ…………伊都、お前アイツとつき合ったりするの?」
「う~ん、今のところは考えてないかな。昨日の今日で、そこまでいかないよ」
あれだけの事をされたのに、遊びだと割りきれるほど大人でもないだろ…と、柿元が不憫に思えてきたが、どう動くのか楽しみでもあった。
「それより勇史君、私にお父さんが出来るかもしれないんだ。今更、微妙だよね」
「は?そうなのか…おばさん、仕事辞めるのかな」
「わかんない。今度の日曜日に会うんだぁ」
伊都は勇史にキスを残して
部屋を出て行った。
本当に、今更で微妙な話だ。
伊都と二人で作り上げてきた生活を、変えられるのは御免だと強く思った。
「…………さて、どうするか」
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