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秘メゴト
第3章 変わりゆく日々
「な……何?」
「わかんない。うるさいよ!何なの?」
後ずさる伊都を守るように利美は前に出て男子に怒鳴った。
すると、集まる男子の奥から皆に押されて、柿元が出て来た。伊都の前まで押し出された柿元はいつもより真剣な顔をしている。
「…お…はよ……どうしたの?あ、昨日電話中だったのに、ごめんね」
途中で勇史に襲われてしまい柿元のことを忘れてしまった事を早く謝りたかった。意味のわからない状況だったが、まず謝罪した。
すると、何か言おうとした柿元より先に後ろにいた男子達が『ヒュー♪』とからかい出す。
嫌な空気を感じた伊都は
柿元から離れようとした時だった。
「…………あって」
「え?なぁに?」
「俺と付き合って。俺の、彼女になって下さい」
伊都が反応を示す前に、教室中が驚きの声を上げ好奇心で目を輝かせたクラスメイトが柿元と伊都をあっという間に囲んだ。
クラスメイトは伊都の返事を柿元以上にワクワクしながら待ち、期待する視線が伊都に突き刺さる。
呆然とする伊都を現状に戻したのは隣にいた利美だった。
「やっぱり、伊都が好きだったんだ…何となく分かってたけど……」
「えっ…利美」
「嫌いじゃなければ、つき合ってみたら?」
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