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秘メゴト
第3章 変わりゆく日々
「だって、利美…柿元君のこと…」
「うん。脈がないって解った時点で、諦めてたから安心して。ここ最近ずっと伊都のこと見てるんだもん…伊都と争う気はないしね」
確かに利美と柿元を取り合うような争いなど伊都だって考えていない。
そんなに好きではなかったのかなと、あまりショックを受けていない利美を見て伊都は安心する。
しかし、本人の気持ちを無視して伊都の『イエス』を皆が何も言わず待っている状況がいただけない。
皆の前で返事をする義理もない。
「柿元君」
伊都は最上級の笑顔を作ると、柿元の腕を引き居づらくなった教室から逃亡した。
「あっ!逃げた!!待てよっ」
返事をするように見せ掛け、廊下に飛び出した二人を呆気に取られた皆が追う。
何故か追われる身になってしまったが、構わず伊都は人気のない場所を探しながら走った。
廊下を走る二人の背中に
いつまでもクラスメイトの声が響いていた。
結局、良い場所が見つけられなかった伊都は、昨日二人で淫らな行為に耽った理科室まで来ていた。ここなら邪魔されず、ゆっくり話が出来ると思ったからだ。
「…………どういうこと?本気で言ってるの?」
わざとなのか、伊都は柿元に何度もイかされた机に座り、質問する。
柿元の喉がゴクリと鳴った。
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