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いつかの春に君と
第4章 君が桜のとき
ウェディングドレス姿の笙子の写真の隣にあるのは、岩倉家の家族が一堂に介した記念写真だ。
まだ赤ん坊の春海を愛おしそうに抱いた笙子が写っている。
春海の初宮の記念に撮った写真だ。

…春海という名前は、岩倉が付けた。

…笙子の元の名は、小春と申します。
忌まわしい事件以降、笙子は自分の名前を忘れておりました。
新しい人生を生きて欲しかった私たちは彼女を改名したのです。
笙子はこの名前を知りません。

一ノ瀬の両親に聞いた名前が、ずっと岩倉の胸の奥に残っていた。

自分の名前の記憶のない妻に、そっと名前の一字を血を分けた我が子に名付けてやりたかったのだ。

「…春海…。綺麗な名前ですわ…」
産褥の床から目を潤ませ、笙子は赤ん坊を抱きしめて微笑った。

…いつか、笙子に本当の名前を告げてやりたい…。
岩倉はそう思っていた。

…そうして、鬼塚…笙子の兄に出会ったのだ。
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